折り畳まれる姿勢構造
*唯一あるのが姿勢です。となると、姿勢の構造が問題となります。
*前回、折り畳まれる脇腹、を課題としました。
*そこで、折り畳まれる姿勢構造の観点からまとめてみます。
*それはわずかに三点となります。とても単純なのですが、とても微妙です。
*まず、折り畳まれる脇腹です。
*典型的な技としては、心意六合拳の虎抱頭があります。一番解りやすいのが、鶏歩の虎抱頭です。鶏歩の虎抱頭に、折り畳まれる脇腹が顕著な特徴として現れます。
*いわゆる「沈肩墜肘」が武術の大切な要領として語られます。ところが、折り畳まれる脇腹の観点から見ると、肩を沈め肘を墜落させる、ということが間違いだと気付きます。
*どういうことでしょうか? 問題は肩や肘には無い、ということです。
*ただ、肩と肘の力を抜けばいいだけです。ゆるめるだけです。
*すると、肩と肘が沈むのは、脇腹が折り畳まれる結果ということになります。
*これが、脇腹から生える腕となります。まるで爬虫類のようですが、爬虫類と同じではありません。爬虫類を真似してみると、どうしても肩や肘が緊張してしまいます。爬虫類型哺乳類でも同じです。やはり哺乳類まで進化する必要があります。
*もちろん、脇腹だけの問題ではありません。
*第二の折り畳まれる姿勢構造があります。第三の折り畳まれる姿勢構造も関係してきます。
*第二の折り畳まれる構造とは、鼠蹊部のことです。正確には、膀胱と鼠蹊部の部分となります。
*この部分が折り畳まれます。同時に、尻を収めます。いわゆる提肛のことです。鼠蹊部が折り畳まれても、尻を出しては最悪の結果です。
*これは、相撲の蹲踞の姿勢と同じです。蹲踞のまま立ち上がるのが、横綱の土俵入りです。
*第三の折り畳まれる姿勢構造とは、折り畳まれる足首のことです。
*これが姿勢構造の根本となります。姿勢勁力の場合、姿勢構造=勁力構造となります。
*折り畳まれる足首は、足指ウォーキングを要求します。
*折り畳まれる足首は、地面を蹴ることを要求しません。足首の折り畳まれる構造が、前方へ身体を押し出してくれます。
*すると、地面を蹴らない心意六合拳・鶏行歩が実現します。
(註) 膝を折り畳むと膝に体重がかかり失敗します。また、足首で地面を蹴ると失敗します。
*しかし、どうしても足首を伸ばしたいのが直立二足歩行のヒトの蹠行性(せきこうせい) ということになります。
*そこで、折り畳まれる足首の訓練をします。それが、心意六合拳の鶏歩と弓歩、宋氏形意拳の六合歩の訓練というわけです。