特殊な虚歩と弓歩
*そこで、この弓歩を体得すれば静的勁力=姿勢勁力を得られます。鶏歩と六合歩の場合、初心者は立つことができません。15秒位がいいところです。これでは撃てません。実用レベルではありません。
*2分間は立てないと、実際に撃つことができません。しかし、武式太極拳は弓歩だけです。
*ところがこの弓歩、普通の弓歩とは違います。
*普通の弓歩は大腿直筋と外側広筋で立ちます。表側の大腿直筋と外側の外側広筋です。武式太極拳の弓歩は裏側の筋肉で立ちます。下腿三頭筋と大腿二頭筋の伸張性収縮です。
*これにより、体重移動無しで撃てます。普通の弓歩の場合、もう後が無い感じです。後ろ盾が無いので、体重移動が必要です。そこで、沈墜勁などの動的勁力が必要となります。
*武式太極拳の弓歩の場合、注意しなければいけないのは、日常には存在しない隠れ指行性に成ることです。
*ヒトは蹠行性(せきこうせい) ですし、現代日本人は純粋蹠行性となっています。すなわち、足指を全く使わないで歩きます。
*となると、前のめりにならないで足指に体重が載る感覚がありません。となると、足指ウォーキングから始めるのがよいでしょう。
*足指ウォーキングは、前足一本足状態で十分体重を足指に感じてから、後ろ足を前に出します。これを繰り返します。(普通は足指が体重を感じる前に、後ろ足が前へ行ってしまいます。それが日本人の歩き方です。普通のウォーキングも同様です。)
*さて、武式太極拳の弓歩は虚歩から造ります。となると、虚歩が問題になります。この虚歩も普通の虚歩とは違います。普通の虚歩は、後ろ足の大腿直筋で立ちます。これでは、その大腿直筋が弓歩となる時、地面を蹴ってしまいます。すると、身体が浮き上がります。
*そこで、下腿三頭筋に比重を移します。そのために、足首が折れ曲がります。そして、鼠蹊部を折り畳みます。同時に尻を収めます。この三つの作業が必要となります。(そういえば、中国ではこんな解説はなかった。だからみんな浮いてしまっていた。みなさんは幸せですね。アハハ)
*虚歩から地面を蹴らないように注意しながら、ゆっくりと裏側の筋肉が伸びるようにしながら弓歩になります。どうしてゆっくりと練習するかというと、速くやると地面を蹴ってしまうからです。
*つまり、しっかりできるようになれば、速くもできます。とりあえず、運動習慣を変える必要があります。
*とりあえず、最初の虚歩ができれば弓歩の成功は約束されています。というわけで、虚歩が肝心です。
*この虚歩を慎重にやらないと、膝に体重が載ってしまいます。すると、膝を痛める結果となります。
*しかし鶏歩も六合歩も無い武式太極拳は、初心者が姿勢勁力を味わうのに適しているかもしれません。
*ただし、やはり太極拳なのでカウンターが主体です。ダイナミックに進んで撃ち込むためには、心意六合拳の鶏行歩が必要です。
*武式太極拳無料セミナーは、2月、6月,9月の予定です。これは他に借りられる日曜日の体育館が無い、というだけの理由です。つまらないオチでした。アハハ