動物武術の虎鷹拳院日誌

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始まりは足指と下腿三頭筋

*武式太極拳(喬式太極拳) の弓歩は、足の裏側・内側の筋肉の伸張性収縮によって造られます。そしてこれが、武式太極拳の根本勁力となります。その始まりは下腿三頭筋です。下腿三頭筋の運動の始まりは足指です。

*もちろんこんなことは、中国で武式太極拳を学習しても教えてくれません。意図的に教えてくれないのではなく、このような分析が中国で成されたことはありません。

*私の場合、宋氏形意拳と心意六合拳の経験により、この分析に至りました。そして、宋氏形意拳でも心意六合拳でもこのような分析が成されたことはありません。

*これが静的勁力=姿勢勁力の根本なのです。そして、この構造解明はフジマツの成果です。これにより、誰でも姿勢勁力の根本が理解できるようになりました。

*しかし、これには厄介な問題が二つあります。そのために、なかなか気付くことがありません。

*一つは、ヒトは表側の大腿直筋で地面を蹴って歩く、という構造です。そして大腿直筋は地面を蹴りますから"ジャンプする筋肉"だということです。すると、歩くと身体が浮いてしまうという結果になります。

*解りやすいのが、ウォーキングとランニングです。ウォーキングとランニングでは明確に身体が浮いています。そして、普通の太極拳でも身体が浮いています。

*太極拳を見る機会があったら、観察してみてください。あるいは心意六合拳の鶏行歩をユーチューブで見てください。多くの場合、浮いているのが明らかに見て取れます。

*しかし、浮いた身体では発勁できません。沈む必要があります。そのために、沈墜勁や震脚が必要となります。

*武術の基礎といわれる馬歩も、表側の大腿直筋と外側の外側広筋により造られています。そのために、沈墜勁または震脚が必要となります。

*でも、もしも身体が浮かなかったら沈む必要はありません、沈墜勁や震脚などの動的勁力は不要となります。それが姿勢勁力の武式太極拳と心意六合拳と宋氏形意拳なのです。(これには体幹と肩の問題がありますが、ここでは触れません。)

*もう一つは、心意六合拳の鶏歩と宋氏形意拳の六合歩では、足が伸びることはありません。弓歩では後ろ足の裏側が伸びますが、鶏歩と六合歩では見る限り伸びません。そのために、裏側の伸張性収縮に気付きません。

*私の場合、馬鹿みたいに六合歩の定歩でひたすら五行拳を撃っていました。歩くと浮いてしまうので、歩くのをあきらめた結果です。

*心意六合拳では、師匠の鷹抓把(ようそうば) や鶏撲食(けいぼくしょく) から「伸びない後ろ足」に気付いていました。

*決定的なのは、回族の陳先生が踵を上げて降ろしたことです。「この勁で撃つ」と陳先生は言いました。それで気付きました。(この勁、の内容には一切触れませんでした。) 

*陳先生は、踵を降ろす時に裏側の下腿三頭筋で降ろしたのです。それは下腿三頭筋の伸張性収縮でした。(もちろん陳先生はそんなことは言いませんけど。) 

*通常ヒトは、表側の大腿直筋で踵を降ろします。だから陳先生のような動作を見ても、裏側の筋肉には気付きません。私の場合、それまでの経験がありました。それとヘンなこだわりがありました。

*若い頃から、歩くことの中に勁力が隠されている、と思い込んでいました。普通の人には勁力がありませんから、普通の歩き方には勁力がありません。するとヘンタイな歩き方ということになります。それが心意六合拳の鶏行歩でした。

*鶏行歩は鶏歩の延長なので、後ろ足が少し伸びますが少しだけです。すなわち、鶏歩が大きくなるだけです。(弓歩になりそうでならないので、以前は未完成弓歩と呼んでいました。) そして体重移動がありません。すると、表側の大腿直筋ではなく裏側の下腿三頭筋を使うことになります。

*表側の大腿直筋を使うと、どうしても体重移動する結果となります。それは前のめりになるということです。

*ニワトリの指行性一本足は前のめりになることがありません。たぶん餌を探しているのかと思いますけど。丹頂鶴がゆっくり歩く時に、同じように指行性一本足になって餌を探しています。でも、ニワトリも走る時は前のめりになります。

*このニワトリの指行性一本足から、心意六合拳の鶏歩と鶏行歩が創作されました。形意拳は心意六合拳から生まれました。宋氏形意拳には独自の鶏形技があります。

*形意拳の故郷=山西省には形意拳なる呼称がありませんでした。車派形意拳は車派心意拳、宋氏形意拳は宋式心意拳でした。自分が学習した時は宋式心意拳でした。戴氏心意拳は今も戴氏心意拳です。心意六合拳とか六合心意拳などの呼称もありました。心意拳とは心意六合拳の略称ともいえます。

*現在の心意六合拳を六合心意拳と称しても間違いではありません。そのような呼称もあります。山西省には六合心意拳なる流派もあるので、ややこしいですけど。

*区別するために、心意六合拳を十大形、形意拳を十二形、と呼ぶのが一般的です。心意六合拳を心意拳と称するのも一般的です。

*姿勢勁力の始まりはニワトリの指行性一本足です。そこからヒトの足指と下腿三頭筋へと応用されました。

*武式太極拳の場合は、蹠行性(せきこうせい) の部分もあるので、習得しやすいと考えられます。

*なんか少し脱線しました。どうもすいません。

@ 以前・・・筋肉の名称なんか言われても知らない。中国ではそのように指導しているのか ! と抗議されたことがありました。中国ではそんなことはありません。でも中国では、失敗している人がたくさんいます。その失敗した人が先生に成ります。結果、失敗が広がります。言葉は記号なので、筋肉の記号の使用は許してください。

@ 要するに伝統的教え方は限界がある、と考えます。自分の師匠は体育大学出身で警察学校の教官でした。だから、合理的思考が身に付いていました。でも、今日の整理した内容は全てフジマツの責任です。動物学の蹠行性と指行性の用語を導入したのも、フジマツの責任です。心意六合拳には素朴な動物生態論がありますが、動物の立ち方・歩き方までは言及されていません。
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by tiger-hawk | 2017-01-16 07:59 | 姿勢勁力

回族心意六合拳・宋氏形意拳・動物武術・虎鷹拳院・姿勢勁力・藤松英一


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