足指は地面をつかむ???
*いえいえ、そんなことをしてはいけません。それは大間違いです。絶対にやってはいけません。少なくとも、動物武術の虎鷹拳院ではそんなことをやってはいけません。
*そんな偉い達人がいる? それはその偉い達人のご事情があるのでしょう。私フジマツは偉い達人の足下にも及びません。武術の素質も才能もありません。だから、偉い達人の真似をしても無駄なことです。巷ではインチキ野郎と呼ばれております。ムーチョありがとう。ウフフ
*姿勢勁力の足は指行性です。しかし、ヒトは踵を使う蹠行性(せきこうせい、しょこうせいは間違い) なので、骨格も蹠行性です。ですから、姿勢勁力は隠れ指行性となります。
*指行性とは動物の立ち方・歩き方の一種で、ネコ科、イヌ科、恐竜=鳥類、などに見られます。それらは足指と趾球で立ち歩きます。
*指行性動物は、足指で地面をつかむことをしません。近所のネコちゃんを観察してみてください。足指で地面をつかんでいますか? そんなことはしません。爪も普段は出ていません。
*彼らの足指と趾球には肉球が発達しています。その肉球でやさしく地面に立ちます。
*心意六合拳の幻像は、虎VS鷹です。虎はネコ科です。鷹は鳥類です。そして、心意六合拳の鶏歩と鶏行歩は、ニワトリの一本足指行性が元になっています。
*だから、心意六合拳も宋氏形意拳も、足指で地面をつかむことはしません。それだと、下腿三頭筋が過緊張してしまいます。過緊張した下腿三頭筋は、もはや使えません。伸張性収縮はできません。武式太極拳も同様です。
*では足指はなにをするのか? 足指はなにもしません。足指はただ有るだけです。それでいいんです。
*足指を使って歩く、とは、足指で地面をつかむことではありません。足指に体重の載る時間が存在する、ということです。
*そして、足指に体重の載る時間が存在する時、勁力が発生します。その時、発勁できます。
*え? 発勁できない? だからそれは何処かが過緊張しているからです。地面をつかんでいるなら、下腿三頭筋です。あるいは大腿直筋かもしれません。大胸筋かもしれません。肩甲骨かもしれません。
*ヒトは無意識に過緊張しているものです。それが自然状態なのです。その自然状態を不自然状態にします。それが姿勢勁力状態です。
*日常生活で指行性になるのは、階段を下る時です。その時、足が着地する時、足指に体重が載ります。一瞬のことですが、指行性になります。
*それは姿勢勁力としては、かなり乱暴なのですが、共通する要素もあります。
*もしも階段を下る時、地面(床面) を足指でつかむとどうなるでしょうか? バランスが崩れて危険です。
*階段を下る時、足指はなにをしているのでしょうか? なにもしていません。ただ、足指はそこに有るだけです。
*姿勢勁力の指行性も同様です。足指はなにもしません。ただ、足指はそこにあるだけです。
*でも、なにかしたいのがクソ真面目な日本人なのです。姿勢勁力では、クソ真面目な日本人を止めましょう。
*なにもしなくていいんです。ただ、心意六合拳の鶏歩と弓歩で、宋氏形意拳の六合歩で、ただ立ちます。何処かでがんばる必要もありません。がんばると何処かを痛めます。
*姿勢勁力では、勁力は姿勢にあります。つまり、なにもしなくていいんです。唯一、なにかするのは前腕の筋肉だけです。それが、心意六合拳の鷹爪です。
*そして、下腿三頭筋が伸張性収縮します。心意六合拳の鶏歩と宋氏形意拳の六合歩では、伸張性収縮ですが、足は伸張しません。見た目は変わりません。むしろ、瞬間的に縮みます。そして、撃っても伸びることはありません。
*足が伸びると、身体が浮いてしまいます。ランニング状態です。ジャンプ状態です。それは、姿勢勁力の死です。
*足指で地面をつかむと、身体は浮いてしまいます。身体を浮かせてはいけません。
*どんなに低い姿勢でも、身体を浮かすことは可能です。低ければ身体は浮いていない、というのは大間違いなのです。
*浮いていない身体の条件は二つだけです。鼠蹊部が折れ曲がる(同時に尻を収める) こと、足首が折れ曲がること、の二つです。それは相撲の蹲踞の姿勢に通じます。
*それが心意六合拳・宋氏形意拳・武式太極拳の姿勢なのです。しかし、肩甲骨や大胸筋を使うと、勁力の全ては崩壊します。
*世間の常識に呪縛されている人は、なかなか納得できません。指行性四足歩行動物を理解することです。前腕の筋肉は前肢となり、下腿三頭筋は後肢となります。そして、足指は地面をつかみません。