*昨日は朝の5時に電話してきた馬鹿に叩き起こされて、ボーとした頭で対応してしまった。いつもボーとしているアホのフジマツですから何をしゃべったことやら。
*まあどうせヒヤカシですからどうでもいいんです。ヒヤカシといえば、体育館に現れて、「オマエのやっていることは合気上げだ」とトンチンカンな発言をした中年オヤジを思い出した。
*合気上げをやってしまうと、自分の身体も浮き上がってしまいますから、姿勢勁力としては絶対禁止です。
*合気と発勁は同じだ、なんて風潮も世間にあるようですが、全くの間違いです。なぜなら、合気道の技は心理学で成り立っています。
*心理学だけですから、合気道に勁力はありません。
*同様に、中国武術の推手も心理学で成り立っています。心理学だけですから、推手に勁力はありません。というわけで、推手をいくらやったところで、勁力は身に付きません。心理学的要素はある程度上手くなるようです。
*もちろん、心理学的要素を利用すれば、勁力の効果も増します。だから、心意六合拳や宋氏形意拳にも、心理学の初歩的要素もあります。でもそれは、あくまで心理学的要素で勁力とは無関係です。勁力はなによりも打撃のためにあるのです。
*心理学だという証拠があります。それは「気」という言葉を使うことです。気とは気持ちのことです。すなわち、気という言葉を使う武術は心理学です。いいかえると勁力はありません。
*心理学にばかり頼っていると、自分の勁力は向上しません。でも、駆け引きも大切です。バランスを取って練習しましょう。
*姿勢勁力といっても、自分の体重を利用するだけです。その体重を相手にぶつけてはいけません。それだと体当たりになってしまいます。前のめりになってしまいます。体重移動してしまいます。
*どうすべきか? 心意六合拳の鶏歩を観察するとわかります。宋氏形意拳の六合歩を観察するとわかります。
*それは、一本足の下腿三頭筋に体重を降ろすことです。
*そのために、鼠蹊部を切り込みます。尻を収めます。足首は折れ曲がります。足指を出現させます。上半身は力を抜きます。もちろん、肩もゆるめます。
*一本足の下腿三頭筋にある体重は、撃ってもそのままです。
*歩く時は、一本足の下腿三頭筋にある体重を維持します。つまり、左右の足が交替するだけで、どちらかの一本足の下腿三頭筋にある体重はそのままです。いつも、一本足の下腿三頭筋に体重があります。
*これが心意六合拳の鶏行歩ということです。
*とっても単純です。めっちゃ簡単な構造です。
*でも、人間の本能的習慣には馴染みません。人間はいつも前のめりに歩きます。特に、格闘技経験者には難しいらしいです。だから、格闘技的武術者にも難しいようです。
*ボクシングのパンチも、後ろ足の踵が上がっています。つまり、後ろ足の下腿三頭筋にあるべき体重は抜けています。
*心意六合拳の鶏歩でも、後ろ足の踵が上がっていれば、下腿三頭筋にあるべき体重は抜けています。
*武式太極拳があんなに威張っているように見えるのも、前のめりに歩かないからです。