*武術の世界は、動作勁力が圧倒的多数派ですが、姿勢勁力の極小派の世界も存在します。表の世界=動作勁力と裏の世界=姿勢勁力があるのです。
*それを私は、宋氏形意拳、心意六合拳、武式太極拳、の練習の中から明らかにしました。内在していた姿勢勁力を引っ張り出しました。姿勢勁力を言語化したのは、フジマツが世界で初めてです。
*もちろん、宋氏形意拳、心意六合拳、武式太極拳、にもそれぞれ様々な傾向と流派があります。私は自分の経験の範囲から、姿勢勁力の抽出に成功しました。
*動作勁力は動作に基づいています。(沈墜勁、震脚、十字勁、纏絲勁、開合、などです。) 姿勢勁力は姿勢に基づいています。姿勢ですから、当然それは静かな勁力となります。
*なお、いわゆる推手、化勁、合気道、などは心理学に基づいています。ですから、それらは勁力を含んでいません。化勁などというと勁力みたいですが、中国ではなんでもかんでも勁と称するという困った癖があります。それが混乱を招いています。いわゆる気も気持ちのことですから、心理学に含まれます。気で打つ武術も心理学です。心理学は脳神経の造る力に基づいています。勁力は筋肉運動が造る物理的力です。もし勁力と筋肉は無関係というなら、全ての筋肉をそぎ落としてから武術してみてください。その前に死んでしまいますけど。
*フジマツは頭が悪く、身体能力も劣っていた底辺の人間でした。当然、達人なんかには成れません。それでも、二十歳の頃、武術に興味を持ちました。弱い自分をせめて平均レベルにしたかったのです。
*しかし、才能も素質も根性もありませんから、何をやっても駄目でした。とうとう形意拳の故郷、山西省太谷県を訪ねてみました。宋光華先生と趙栄昌先生に師事しました。宋氏形意拳の練習を開始しました。もちろん、全く撃てません。
*しかし、基本功に小さな光を見いだしました。龍形基本功、熊の基本功1号と2号、などのことです。そこに本質的問題が隠れているだろう、と見当を付けました。さらに、失敗した先輩を観察しました。失敗した先輩は、身体が浮いていました。ああなっては駄目だな、と理解しました。もちろん、自分も浮いていました。
*自分も歩くと浮いてしまうのです。そこで、歩くのはあきらめました。移動稽古は放棄しました。身体が浮くのは地面を蹴ってしまうからです。でも当時は、解決法を知りませんでした。
*とにかく力を抜かなければ駄目だ、と考えました。そこで小学生も倒せないフニャフニャ崩拳(五行拳) を撃ち続けました。それも六合歩(三体式) の定歩で、ひたすら撃ちました。それは直接的には全く役に立たない訓練でした。しかし、後に役に立ちました。
*今日はここまで、また書き直します。トリセツ姿勢の発勁力は、後で順番を直して、カテゴリから見やすくします。だから、時系列も見やすくするために直します。というわけで、続きはこの時刻よりも前になります。続きはカテゴリから見てください。