動物武術の虎鷹拳院日誌

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2016年 02月 17日 ( 1 )

勁力への旅・その八(終わりの始まり)

*さて、世の中は、電波停止 ! の女ヒットラー が登場したりして騒がしいようですが、そんなこととは関係なく、勁力への旅も終わりを迎えております。

*ある日、心意六合拳の様々な流派に詳しい回族の陳先生を招いたとのこと。張克強先生の兄弟子の蔣鴻興先生も同席していました。

*何か質問しなさい、と張克強先生に言われたので、そこで、さっそく陳先生に質問しました、「四把捶の意味とは何か? 」。ところが陳先生、「初対面の君にそんなことは教えられない」と来ました。「それは爆弾の製造法を教えるようなものだ」だそうです。「危険過ぎる」そうです。

*自分としては気楽に質問したのですが、そんないきなり拒絶されたので、もうどうでもいいや、という気分になりました。陶子鴻先生の系統の心意六合拳には四把捶がありません。それで質問しただけなのですけど。

*私は張克強先生から四把捶は学習しました。張克強先生、三系統の心意六合拳を学んだようです。その後、私は、四把捶には動物武術としての思想性に欠けているのが解りました。単なる技の寄せ集めです。したがって、今は練習していません。

*その後、三人の先生は談笑していました。私は一人で練習です。いろいろやったのですが、特に鷹抓把をやってみました。(ちょうど、裏手がサッカー場でした。)

*すると、蔣鴻興先生が言うには、「初めて見た時はどうしようもない奴と思ったが、少しは進歩したな」とのことでした。けなされたのか褒められたのか、解らないのですけど、自分は前向きに捉えました。

*そしてこれは、「地面を蹴らない後ろ足」のことだな、と解釈しました。

*その後、鶏形単把をやってみました。すると、陳先生が修正してくれました。その単把、おかしなことに、前手の手首に後ろ手を添えます。両手が重なることがありません。とにかく、意味も解らずやっていました。

*そして、突然、「この勁で撃つ」と動作を示しました。それは、小さい弓歩で、後ろ足の踵を上げて降ろしました。たったそれだけのことです。

*私はそれで勁力に覚醒しました。

*ところで、前手の手首に後ろ手を添える単把なのですが、張克強先生の自宅に戻って、その単把を練習していました。

*すると、張克強先生、笑っています。「フジマツ、お前、からかわれたんだよ」と言います。

*「確かにフジマツにはそのように教えたけど、自分でやっていた時は、両手を重ねる手型だった」とのことでした。あれ? また騙された ! 自分、馬鹿だなあ、と再認識しました。

*確かに、冷静に考えれば、前手の手首に後ろ手を添えても、無意味です。

*帰国後、漫画「拳児」を見たら、同じウソ単把が載ってました。あれ? 原作者の松田隆智先生も騙されてた ! これ、回族の騙しのポピュラーなテクニックなんですね。面白い ! と思いました。別に腹も立ちませんでした。

*何故って、陳先生、勁力を覚醒させてくれたからです。もちろん、ただ見せてくれただけです。解説もありません。しかし、私には解りました。

*この方法を、張克強先生に見せたところ、一笑に付されてしまいました。しかし、これも私には解ってしまいました。陳先生と張克強先生は同じことをしているのです。

*この方法には形がありません。そもそも鶏歩の中に内包されている勁力だからです。それを張克強先生は表面に表現しません。

*しかし、陳先生は表面に出しました。それだけの違いです。では何故、陳先生は表面に出したのか? それはフジマツに見せるためでした。あの動作に必然性はありません。いじわるそうで、親切な一面もあった陳先生でした。あれから一度も会う機会がありませんでした。届かないかもしれないけど、ありがとうございました。

*帰国後、陳先生の方法を教えてみたけれど、誰一人できませんでした。それ以来、日本人には無理、と教えるのを止めてしまいました。みんな、太もも=大腿直筋で地面を蹴ってしまうのです。地面を蹴ってしまえば、それで終わりです。勁力は発生しません。

*その後、下腿三頭筋で地面を蹴る人も現れました。そうです、八卦掌みたいな方法です。どちらにせよ、地面を蹴れば終わりです。

*ところが先日、クッキーさんが「こうですよね」と成功させていました。これにはびっくりしました。できる人もいるんだ、と認識を改めました。それでも、積極的に教える気持ちはありませんけど。

*この勁力は、心意六合拳の鶏歩に内包されています。宋氏形意拳の六合歩にも内包されています。もちろん、気付かない中国人もたくさんいます。すると、沈墜勁や震脚などの外勁力に頼る結果となります。

*この勁力は、鶏歩と鶏行歩を全く同じものとして捉えると覚醒します。鶏歩の後ろ足が全く変化することなく、鶏行歩します。すると、発生します。

*しかし、この勁力を「後ろ足勁力」とネーミングしたことは失敗でした。誤解を招く結果となりました。

*そもそも一般の人の後ろ足は、地面を蹴るしかありません。太ももで地面を蹴るしかありません。それ以外、想像できません。生まれて来てから、そのように歩いてきたのです。それは、ヒトの直立二足歩行の構造だからです。いうならば、樹上生活から草原生活になったサルの、700万年の伝統です。

*すると、当然、後ろ足で地面を蹴る心意六合拳も、形意拳も、一般的になりました。その他の武術はいうまでもありません。ランニングもウォーキングも同様です。

*後ろ足勁力では問題あるので、今では、ニワトリの一本足時間と虎の指行性として、整理しました。

*これに、体幹の絞り=龍腰と、前腕の筋肉=鷹爪が加わります。それで、姿勢の勁力と称します。姿勢を変えてはいけませんので、最後は、前腕だけで撃つ、ということになります。姿勢を変えてはいけないとは、体重移動してはいけないということです。

*これが、動物武術から発見する静かな力の正体です。
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by tiger-hawk | 2016-02-17 10:03 | 勁力への旅

回族心意六合拳・宋氏形意拳・動物武術・虎鷹拳院・姿勢勁力・藤松英一


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