動物武術の虎鷹拳院日誌

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2017年 03月 08日 ( 1 )

浮いているヒト

*姿勢勁力は、浮いているヒトの身体を改造する観点から生まれました。浮いているままでは、勁力は生まれません。(そこで動的勁力では、沈墜勁や十字勁、震脚などを用います。)

*しかし、浮いている身体は、ヒトの直立二足歩行の結果です。四足歩行ならば、身体は浮きません。

*そこで、ヒトの直立姿勢に注目しました。

*その特徴は、足下から見てみると、足首が伸びています。

*そこで、足首を折り曲げてみます。すると、体重は踵から足指と趾球に移行します。

*つまり、踵を使う蹠行性(せきこうせい) から、足指と趾球を使う指行性へ変わります。

*指行性とは、恐竜=鳥類、ネコ科、イヌ科などの動物の立ち方・歩き方です。

*そのうち、恐竜=鳥類は二足歩行です。とりわけ身近にいるニワトリは一本足時間歩行をします。そこから、心意六合拳の鶏歩・鶏行歩・鶏形単把が生まれました。さらに、指行性四足歩行の最強の動物は虎です。そこから、虎撲が生まれました。(漢族の形意拳は回族の心意六合拳から派生しました。) 

*足首が折れ曲がると、ついでに膝も折れ曲がります。そこで、膝に注目したいのが人情というものです。そこで、まず膝を折り曲げます。(特に現代日本人は足指を忘れています。そのため膝で立って膝で歩きます。)

*すると、膝に体重が載ります。やがて、膝を痛めます。最後は膝が壊れます。

*どうして膝を折り曲げるのでしょうか?

*それは、ヒトは元々蹠行性だからです。霊長類は蹠行性です。だから、指行性は不安定で気持ち悪いのです。指行性は習慣に反します。骨格からしてヒトは蹠行性ですから。

*だから、何も考えずに低い姿勢になると、まず膝を折り曲げます。それは、蹠行性のヒトの反射的行動なのです。だから、何も考えずにスポーツすると膝を壊します。

*太極拳で膝を壊すのも、根本的原因は蹠行性にあります。そこで、武式太極拳(僑式太極拳) は指行性へ近づきました。虚歩の段階では蹠行性ですが、弓歩では指行性になります。だから武式太極拳では膝に体重が掛かりません。膝を壊す心配もありません。

*足首、足指、趾球に大きい筋肉はありません。どれも関節です。そこで、下腿三頭筋が体重を支えます。下腿三頭筋が覚醒します。とりわけ足首に近いヒラメ筋が目覚めます。これが、姿勢勁力の根っこ=原動力となります。

*類人猿は太ももの大腿直筋で直立し、大腿直筋で地面を蹴って歩き出しました。それがやがてヒトとなります。それは蹠行性で立ち上がった結果です。それは浮いている身体を造りました。

*ですから、指行性に近づくことが必要となります。それは、指行性動物に近づくことです。

*下腿三頭筋は大腿直筋よりも地面近くにあります。地面と接触しているのは足指と趾球です。ですから、身体が浮くことはありません。

*しかし、ヒトは直立しています。すると、上半身の問題があります。上半身をそのままにしておくと、やはり身体は浮いてしまいます。

*ヒトの直立姿勢では、足首が伸びていますが、鼠蹊部も伸びています。この伸びきった鼠蹊部を折り曲げてあげます。鼠蹊部に無関心ではいけません。鼠蹊部が伸びたままでは、またも膝に体重が載ってしまいます。

*鼠蹊部を折り曲げると、尻を出す人がいます。出っ尻です。そのままでは腰痛になります。この尻を収めなければいけません。これを提肛と称します。

*尻を収めるためには、腹横筋で下腹部を持ち上げてやります。腹横筋は、腹をほんの少し凹ませて左右横へ引っ張ります。腹を膨らませてはいけません。それだと逆腹式呼吸法になってしまいます。

*鼠蹊部を折り曲げただけでは、身体は閉じません。開いた身体はやはり浮いてしまいます。

*そこで、心意六合拳と形意拳が称するところの、龍腰と龍身が生まれました。

*龍腰とは、脇腹の前鋸筋から鼠蹊部へ向かって身体を絞ることです。この線はクロスして内転筋まで繋がります。(宋氏形意拳・熊の基本功1号、心意六合拳の熊吊膀など)

*龍身とは、腕を脇腹の前鋸筋から生やすことです。こうして肩の力を構造的に抜きます。腕を肩から生やしたままでは、肩の力が抜けません。肩に力が入ると、やはり身体が浮いてしまいます。

(註) 筋肉の名称を用いると、非難されたことがありました。ここはボディビルの教室かよ、武術の教室ではないのか? というわけです。しかし、言葉は記号です。共通の記号を用いないと会話が成立しません。また私の心意六合拳の師匠は体育大学の出身なので、こうした言葉に違和感はありません。実際、太極拳の円襠とは内転筋だと教わりました。心意六合拳の弓歩でも内転筋の大切さを教わりました。完全に伝統的な教え方ではありませんけど。より合理的だと考えます。古拳譜に忠実でありたいと思う人は、古拳譜を見てください。辞書があれば、誰にでも簡単に翻訳できます。同じ漢字文化圏なので。中日大辞典(大修館書店) で十分間に合います。実際に翻訳してみると、そんなに深い意味はありません。結構、素朴です。日本人は漢語表現に権威を感じますけど。でも詩的表現なので楽しいこともあります。やってみてください。
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by tiger-hawk | 2017-03-08 08:18 | 姿勢勁力

回族心意六合拳・宋氏形意拳・動物武術・虎鷹拳院・姿勢勁力・藤松英一


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