動物武術の虎鷹拳院日誌

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カテゴリ:心意六合*形意( 204 )

形意拳と心意六合拳の間に

*形意拳は槍の技法から考案された・・・という伝説がありますが、もちろん、ただのコジツケです。形意拳は心意六合拳から派生した武術です。

*形意拳の発源地は山西省です。その太谷県は車派形意拳と宋氏形意拳の発源地とされています。隣の祁県は戴氏心意拳の発源地とされています。

*しかし、山西省には形意拳なる名称がありませんでした。車派形意拳は、戦前(解放前) 、車派心意拳と称していました。宋氏形意拳は、私が拝師した時(1989年当時) は、宋式心意拳と称していました。

*形意拳なる名称は、明らかに河北系形意拳からの影響です。それは、北京の国家武術権力からの影響ではないか、と推測されます。

*心意六合拳はイスラームを信仰する回族から創造されました。心意六合拳は心意拳とも、六合心意拳とも呼ばれていました。どれも間違いではありません。

*しかし、形意拳は漢族から発展しました。漢族としては、差別された少数民族から創造された事実は認め難いものだったのでしょう。それで、槍の伝説が創られたと考えられます。また、回族の心意六合拳と区別するためにも形意拳の名称が創られたと考えられます。

*心意と形意は中国語の発音としては、声調が違うけれど音は同じです。中国語には声調というアクセントが四つあります。(広東語には八個もあるそうです。それを知って学習をあきらめました。) 声調が違えば、全く違う言葉となります。

*日本語には音が80個位しか無いのに、アクセントがほとんどありません。箸と橋、にはアクセントの違いがありますけど。それで文脈・文意から言葉を推測することになります。雰囲気を察する日本人です。最近では、"大丈夫"という言葉が、ノーサンキューを意味するそうです。

*さて、形意拳と心意六合拳の最大の違いは、形意拳の三体式(六合歩) と心意六合拳の鶏歩の違いです。

*三体式では、身体が少し開いています。後ろ足が斜めになっています。鶏歩では身体が閉じています。後ろ足が真っ直ぐ前を向いて前足と一致しています。つまり、鶏歩では完全に身体が閉じています。

*形意拳と心意六合拳には、龍腰・龍身の言葉があります。その龍腰・龍身の意味は、体幹の絞り、です。脇腹の前鋸筋から反対側の鼠蹊部へ向かって、体幹を絞ります。

*この体幹の絞りについて無知だと、身体が回転してしまいます。典型的なのが、心意六合拳の熊吊膀です。腕が回転して、身体も回転してしまいます。

*これは、龍腰を腰の回転と誤解してしまったことによります。龍腰とは腰とは無関係です。龍腰とは、体幹全部を使うことで、腰を使うことではありません。龍腰とは体幹の絞りです。これは、世界で初めてフジマツが明確化しました。龍=古代ワニの体幹です。

*ところが、宋氏形意拳には体幹の絞りが備わっていました。私のオリジナルではありません。それが、宋氏形意拳の龍形基本功、熊の1号・3号・2号です。

*体幹の絞りの過程運動と基本功が、宋氏形意拳には備わっていたのです。そのために、私も体幹の絞りを理解できました。(解説されたことはありません。)

*心意六合拳は、最初の鶏歩から体幹の絞りの完成を求められます。そのために、体幹の絞りを理解できずに、失敗する先生が少なくありません。

*体幹の絞りとは、三体式(六合歩) から鶏歩への過程運動なのです。体幹を絞ることにより、身体は閉じられます。閉じられた身体から勁力は発射されます。それが、動物武術の姿勢の勁力となります。

*幸いにも、心意六合拳の学習の前に宋氏形意拳を学習する機会がありました。それは、運命のいたずらかもしれないし、神様のお導きかもしれません。ともかく、宋氏形意拳の基本功のために、体幹の絞りを理解し体得できました。

*形意拳と心意六合拳の間に、三体式(六合歩) と鶏歩の間に、体幹の絞りの過程運動がありました。

(註1) 、戦前とは第二次世界大戦(太平洋戦争) 以前との意味です。解放前、とは、戦後の国共内戦の結果、中国共産党が政権を奪取する前との意味です。少しずれますが、だいたい同じと解釈しました。正確には、解放前となります。つまり、中国共産党が政権を奪取してから、ということで権力の影響が考えられます。(解放? かどうかは疑問がありますけど。) 

(註2) 、宋氏形意拳では、三体式を六合式と称していました。1989年当時です。その後、三体式と改めたようです。宋光華先生、権力に弱いので(笑) 。私は、歩型なのだから、六合式ではなく六合歩でしょう、と考え、六合歩と称することにしました。
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by tiger-hawk | 2016-03-16 06:32 | 心意六合*形意

両拳の内実は体幹

*心意六合拳にはパンチがありません。どうしてパンチが無いのでしょうか? それは、右拳も左拳も独立していないからです。全ては両拳でできているからです。

*たとえ片拳であっても、両拳で撃っているからです。それが、心意六合拳と宋氏形意拳の馬形拳に現れています。

*心意六合拳の原点は、挑領と鷹捉と虎撲です。それは収勢を構成しています。どれも実は体幹で撃ちます。そのうちの一つの虎撲は両掌で撃ちます。体幹と両掌が一体化しています。

*虎撲から発展した単把も、当たる所は前掌の掌根ですが、その実、両掌で撃ちます。

*鷹捉も、両掌で撃ちます。その腕は、肩からではなく、体幹から(前鋸筋から) 生えています。龍=ワニ=爬虫類の前肢です。挑領も、実は両腕で撃っています。

*心意六合拳と宋氏形意拳の打撃は、全て体幹で撃ちます。だから腕は、肩からではなく体幹から(前鋸筋から) 生えています。それが、龍腰・龍身の正体です。それを理解できない人は、失敗します。

*そのことを理解するために、宋氏形意拳の龍形基本功があります。熊の1号・3号・2号があります。

*「片拳でも両拳」ということを信じてもらうために(会員のみんなは私の言うことを信じていないみたいなので、プププ) 、心意六合拳の馬形拳をやってみました。

*心意六合拳の馬形拳といってもたくさんあるので(宋氏形意拳の馬形拳は一個だけ、楽 ! ) 、その中から馬形◯道を練習しました。

*この馬形◯道なんですけど、◯の字が日本語では使わないようです。中国語の音は、cuan、で声調は第四声です。でもその後ろの字も第四声の道なので、連続すると、たぶん第四声にはならないと思います。

*え? 発音はどうでもいい? こりゃまた失礼いたしましたあー あっきれいなオネーサン、帰らないでくださーい ! 

*◯の字は、足ヘンで穴カンムリに鼠です。この穴カンムリに鼠は、漢和辞典で見ると、サンと読むらしい。読んでも使わない字ですね。足が付くと、もう普通の漢和辞典には載ってません。え? 諸橋轍次先生の大漢和辞典を見ろや? やですよ、持ってないし、メンドー臭い。意味解んない。

*で◯の字の意味は、跳ねる、です。馬が跳ねるように走る、ようにやれやボケ ! という意味らしいです。しかし、跳躍というよりも、躍動に近い。

*実際、連続して刮地風で、馬が疾駆するようにやります。そのようにやれ、と師匠にも言われました。

*で、躍動という意味なので、日本語としては、馬形躍道、でもいいんじゃね? と勝手に思いました。それで、馬形躍道、ということにしました。躍動だから躍道、ナンチャッテ ! え? 真面目にやれ? どうもすんまへん、旦はん。

*もう、大日本帝国の大本営の決定なので、死んでも覆りません。玉砕しても問題ありません。ホントかい? 文句言う奴は電波停止や !  

*意味は跳ねるなんですが、実際には跳ねません。ジャンプしません。見た感じ、そんなようにやれ、というだけです。疾駆するようにしなさい、ということです。

*馬形躍道は、両拳で撃ちます。この感じで、片拳でも撃てるようにします。これ、実際には、背中の張りで撃ちます。両腕の外側から背中が張ります。つまり、宋氏形意拳の龍形基本功と同じです。

*宋氏形意拳の馬形拳は、前拳と後ろ拳が別れます。でも、両拳が動きます。片拳=前拳だけ動くということがありません。これでも、「片拳でも両拳撃ち」が学べます。

*形意拳の馬形拳は、馬の手綱を持っているような感じです。え? オレは片手で手綱を持ち、片手で拳銃を撃つ? こりゃまた失礼いたしました。まさに、馬賊ですね。馬賊の旦那はともかく、動物武術は、両拳・両掌で撃ちます。

*両掌・両拳の内実は体幹です。
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by tiger-hawk | 2016-03-15 01:29 | 心意六合*形意

静かな勁力

*心意六合拳には様々な傾向があります。宋氏形意拳にも様々な傾向があります。それらは流派ともいうべきものです。

*つまり、心意六合拳には様々な流派があります。宋氏形意拳にも様々な流派があります。

*しかし私は、心意六合拳と宋氏形意拳の本質的部分に気付きました。

*それは、第一に素晴らしい先生方に出会えたことによります。第二に、中国での多くの失敗例を反面教師にしました。

*そして、伝統とか、拳譜とか、秘伝とか、伝説とかに捕われることなく、撃てるようになるためには、どうすればよいか? との一点に着目したからです。

*その一つは、宋氏形意拳の龍形基本功に代表される「体幹勁力」です。胸ぐらをつかまれるとか、肩をつかまれるとか、袖をつかまれるとか、手首をつかまれるとか、に対しての逆技がいろいろとあります。しかし、相手の腕力が優れていた場合、技をかけることができません。

*ところが、龍形基本功を応用すると、簡単に相手をつぶせます。それは、腕力で劣っていても、体幹勁力で勝っているからです。この体幹勁力が、心意六合拳と形意拳でいわれるところの「龍腰・龍身」でした。それはもちろん、自分一人で解明しました。

*この体幹勁力が、拳や掌や様々な技となります。

*体幹勁力には、根本勁力が必要となります。それが、足の勁力です。それは、心意六合拳の鶏歩と鶏行歩に代表される、ニワトリの一本足時間と虎の指行性です。これについては、張克強先生の鶏歩と鷹抓把と、回族の陳先生のアドバイスから、解明しました。

*そしてさらに、前腕の鷹爪です。前腕の筋肉で指を遠隔操作します。特に、指の第二関節に意識集中して指を広げます。すると、前腕の筋肉は緊張するけれど、上腕の筋肉は弛緩しているという状態を造ります。最後は前腕だけで、鷹爪だけで撃ちます。

*発勁の瞬間には、趾球と足指の間の距離と時間を用います。究極の指行性です。この短い距離と時間で撃ちます。これは、心意六合拳の虎抱頭を練習する中で、自分一人で解明しました。宋氏形意拳の崩拳も同様です。

*これは、前足と前手を同着させる技術です。タイミングを合わせます。体重移動のことではありません。これに、趾球と足指ー足首ー下腿三頭筋の、勁力トライアングルを組み合わせます。

*先生方から基本功とヒントをもらいました。それを自分の中で熟成させて、最後は自分一人で解明・整理できました。

*私は馬鹿で才能もありませんが、撃てるように成りたいとの一心で解明しました。だから、みなさんも、撃てるようになるとの執念があればできるようになります。この執念が欠落していると、成功は望めません。

*あるいは、沈墜勁など発勁動作のある蹠行性勁力を選択することも、一つの道ではあります。ヒトは元々蹠行性(せきこうせい) なので、こちらのほうが広い門となっています。これらは虎鷹拳院では取り扱いません。

*ヒト武術=蹠行性の勁力、動物武術=指行性の勁力、という構図になります。

*みなさんの成功を祈ります。
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by tiger-hawk | 2016-03-15 01:27 | 心意六合*形意

鰐の体幹、虎の足、鷹の爪

*動物武術(心意六合拳と宋氏形意拳) は、どのような身体を目指すのでしょうか? 

*それを、ワニの体幹、虎の足、鷹の爪、とまとめてみました。

*もはや、人間ではありません(笑) 。怪物です。怪物に人体を改造する計画、それが動物武術です。

*ワニの体幹とは、龍腰・龍身のことです。龍腰・龍身と表現すると、身体をくねくねすることだと誤解されてしまいますが、そもそも龍とは、古代ワニの化石から想像された動物です。顔もワニに似ています。

*龍にも足がありますが、ワニと同様に脇腹から生えています。これは爬虫類の特徴です。つまり、肩がありません。

*動物武術の姿勢の勁力の最大の障害は、肩の力です。肩で勁力を詰まらせてしまいます。爬虫類と同様に、肩は無いものと考えればいいのです。

*龍腰・龍身とは、身体をくねくねさせるものではありません。体幹を絞るためのものです。そのために、蛇よりもワニの体幹を想像します。龍は古代ワニの化石から生まれました。

*体幹は、脇の前鋸筋から反対側の鼠蹊部へ向かって絞られます。これは、左右の運動路線となります。右脇の前鋸筋から左側の鼠蹊部へ、左脇の前鋸筋から右側の鼠蹊部へ、走ります。

*ワニの体幹は、宋氏形意拳の龍形基本功、熊の1号・3号・2号、などから造られます。また、心意六合拳の熊吊膀、龍形挿把、などから造られます。そして、鉄牛耕地で仕上げます。(腕立て伏せは肩で実行するので、やってはいけません。鉄牛耕地は腹と前腕=鷹爪で実行します。)

*鶏腿(鶏歩と鶏行歩) は、ニワトリの一本足時間から生まれました。しかし、ニワトリの一本足時間だけでは、決定的に不足しています。

*これに、虎(ネコ科) の指行性を加えます。指行性とは、趾球と足指(肉球) で、立ち、歩くことです。ニワトリの一本足時間は止まっていますが、虎の指行性により、一本足時間は、経過運動となります。(鳥類も指行性ですけど) 

*虎の足は、心意六合拳の鶏歩、弓歩、鶏行歩、宋氏形意拳の六合歩、などから造られます。

*鷹の爪=鷹爪とは、前腕の筋肉で指を遠隔操作することです。前腕の筋肉で、鷹爪の掌を造ります。前腕の筋肉で、鷹爪の拳を造ります。前腕の筋肉は鉄牛耕地で鍛えます。

*まずは鷹の掌を造ります。指の第二関節で、手を広げます。

*次は、指の第二関節で、拳を造ります。これが、鷹爪の拳となります。手首はフラットになります。手の甲の皮膚が張ります。

*これで、動物武術の身体が完成します。ワニの体幹、虎の足、鷹の爪、の三つの要素です。

*姿勢の勁力のネックは、肩の力ともう一つ、太もも(大腿直筋) の力です。一般の人は、太ももに力を入れ過ぎています。これが、鶏行歩の失敗の最大の原因です。

*これは、肩の力と同様に、ヒトの直立二足歩行に由来しています。ヒトは、太ももを人体最大の筋肉として、太ももで地面を蹴って、樹上生活から草原生活へと進出しました。

*さらに、サルは元々、蹠行性(セキコウセイ) ですから、ヒトも踵で立って、踵で歩きます。現代日本人はそれを極端に押し進め、足指を全く使わなくなりました。その結果、ホンダのアシモ君が生まれました。

*これを、足指を使って歩くように改造します。指行性ウォークです。さらに、虎の指行性に改造します。鶏行歩です。すると、太もも=大腿直筋よりも下腿三頭筋に負担がかかります。

*鶏行歩は、自分の体重だけ運搬すればいいのですが、一般の人は太ももで地面を蹴ることにより、余計なことをしてしまいます。当然、太ももは過緊張となっています。これが、姿勢の勁力の障害となります。

*太ももの力を緩めます。すると、足首に体重が降りて来ます。さらに足首の力も緩めます。すると、フクラハギなど下腿三頭筋が覚醒します。
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by tiger-hawk | 2016-03-15 01:24 | 心意六合*形意

ダウンフォースの謎

ダウンフォース (down force) は、走行する自動車に対して空力によって発生する、負の揚力、つまり自動車が地面に押さえつけられる向きに発生する力である。  (ウキペディア)

*心意六合拳の鶏歩と鶏行歩は、浮き上がってはいけません。宋氏形意拳の六合歩は、浮き上がってはいけません。しかし、歩くと、どうしても浮いてしまいます。

*そこで、ダウンフォースが必要となります。拙著「発勁力」で書いたところの、スポイラー勁のことです。

*特に、心意六合拳の三盤落地は浮き上がりやすい。三盤落地の中の、飢虎撲羊と、三盤落地にある鶏行歩は,浮き上がりやすい。この、浮き上がりやすい性質が、三盤落地を困難にしています。

*そのために、押さえ付けるようなイメージ法を用います。手を前へ出して、押さえ付けるイメージです。

*ところが、実際に押さえ付けるのは、手ではなく足なのです。

*では、足の何処の筋肉を用いるのでしょうか?

*太ももの表=大腿直筋でしょうか? 太ももの表の筋肉で押さえ付けることは、とても簡単です。

*なぜなら、通常、ヒトは太ももの表の筋肉で、地面を蹴って歩いているからです。ウォーキングも、そのようにできています。そして、ランニングも同様です。だから、それをちょっと変えればいいことです。

*ところが、鶏行歩を失敗している人を観察してみると、太ももの表の筋肉でダウンフォースを発生させています。

*さらに、沈墜勁や十字勁や震脚のダウンフォースも、太ももの表の筋肉です。

*となると、太ももの表の筋肉は、動物武術では使えません。大腿直筋でダウンフォースを発生させてはいけません。それは、蹠行性(せきこうせい) を意味します。

*指行性になるためには、どうすればいいのか?

*自分の鶏行歩の動きを観察してみました。すると、太ももの裏の筋肉=大腿二頭筋を使っていることが解りました。大腿二頭筋でダウンフォースを発生させています。

*指行性ウォークでも、大腿二頭筋を活用しています。

*さらに、浮き上がりやすい三盤落地でも、大腿二頭筋を十分に活用させて、ダウンフォースを発生させています。

*この、裏のダウンフォースが、姿勢の勁力の発生に直結します。太ももの裏=大腿二頭筋のダウンフォースがあるために、勁力は生きてきます。

*反対に、太ももの表=大腿直筋のダウンフォースは、姿勢の勁力を殺してしまいます。蹠行性になってしまうからです。

*太ももの裏=大腿二頭筋のダウンフォースを開発しましょう。
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by tiger-hawk | 2016-03-15 01:22 | 心意六合*形意

指揮棒or猫の髭

*先日、ある人に「小手パンチ」を教えてみたら、「これは小手パンチではない」と叱られた。

*確かに、小手ではなく、体幹で撃ちます。でも、感覚的には、小手パンチなんです。プププ 小手パンチは心意六合拳に基づいています。

*私の宋氏形意拳・崩拳はフニャフニャ崩拳です。でも、実のところフニャフニャではありません。とても鋭くてとても速い崩拳です。他に例がありません。故佐藤聖二さんもびっくりしてました。今はさらに進歩しています。

*宋光華先生よりも速いです。趙川輝先生よりも速いです。フジマツ独自の崩拳です。これは、近いうちに映像にする予定です。

*でも、フニャフニャなんです。何処がフニャフニャかというと、肩がフニャフニャです。胸がフニャフニャです。上腕がフニャフニャです。手首近くの前腕だけが硬くなります。

*このフニャフニャ崩拳、今のところ、撃てる人はいません。でも、たぶん、コボクマシーン1号は近いところまでは行ってます。

*崩拳は、腕の伸縮で撃ってはいけません。これも体幹で撃ちます。そして、体重移動してはいけません。体重移動すると、軽くなってしまいます。体重移動しないから、重くなります。

*フニャフニャ崩拳は、熊の1号と2号に基づいています。

*この熊の1号なんですけど、ほとんどの人は肩を使ってしまいます。肩がフニャフニャではありません。だから、失敗します。胸を使ってしまう人もいます。そして、腕を使ってしまう人もいます。

*実は、熊の1号は、腕の力は使わないのです。拳を動かしますが、拳はフニャフニャなんです。

*では、拳は何のためにあるのか? 何のために動かすのか? それは、体幹と腹を導くためのものです。オーケストラの指揮棒みたいなものです。センサーみたいなものです。猫の髭みたいなものです。

*熊の2号も同様です。熊の3号も同様です。それを拳に一生懸命、力を入れている人がほとんどです。

*正直いうと、こんなこと説明しなければ解らないの? という気持ちですけど、説明することにしました。

*私は説明を受けたことはありません。でも、私はヘンタイですから、普通の人には説明が必要です。

*勁力の根本は、後ろ足の下腿三頭筋にあります。ところが、下腿三頭筋も力を入れてはいけません。それでは、勁力が死んでしまいます。

*後ろ足の下腿三頭筋は、体重を支えるだけでいいんです。それ以上の余計なことをしてはいけません。ところが、みなさん、余計なことをしてしまいます。

*これも説明しないと解らないみたいなので、説明することにしています。入力でもない出力でもない、中間の状態です。いわばニュートラルなんです。

*後ろ足の下腿三頭筋は、自分の勁力のセンサーの役割もあるんです。指揮棒or猫の髭です。
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by tiger-hawk | 2016-03-14 06:20 | 心意六合*形意

技の本質を盗む

(昨日の体育館から)

*片拳でも両拳、片掌でも両掌、について復習しました。どういうことか、というと、拳・掌は、両手で撃つことを基本とする、ということです。

*これは、突き手と引き手、ということではありません。宋氏形意拳にも心意六合拳にも、突き手と引き手の関係はありません。

*突き手は存在しません。引き手も存在しません。

*いわゆる突きも存在しません。

*掌は、心意六合拳の虎撲を、宋氏形意拳の虎形拳を基本とします。

*拳は、心意六合拳の馬形拳を、宋氏形意拳の馬形拳を基本とします。

*片手の突きは存在していないのです。ここが、ボクシングや空手とは違うところです。いわゆる中国拳法とも違います。全ての拳・掌は、両手で撃ちます。

*見た所、片手で撃つ形であっても、その根本は両手で撃っているのです。

*全ての心意六合拳の技、宋氏形意拳の技は、龍形基本功(宋氏形意拳) を根本としています。

*それは、体幹の勁力を造ります。腕の外側から、背中にかけて、張りを造ります。この張りの形で撃ちます。それが、馬形拳となり、虎形拳=虎撲となります。

*すると、片拳・片掌であっても、強い張りができます。それは、片拳・片掌ではないからです。

*つまり、動物武術には、片拳・片掌が存在していないのです。存在しているように見えるのは、見た目だけです。錯覚です。

*あるのは、体幹の勁力、ということになります。これが、龍形基本功の、心意六合拳・虎撲と馬形拳の、宋氏形意拳・虎形拳と馬形拳の本質なのです。

*え? お前はそれを誰に教わったのか? 誰かに具体的に教わったという記憶はありません。自然に理解できました。氷解した、というべきでしょう。

*やっていれば、誰にでも理解できる、と考えていました。でも、そうでもありませんでした。ほとんどの人は、一生懸命、突いています。そんなに力は要らないのになあ・・・なんで力を入れるのかなあ・・・といつも想っています。

*いわゆる突きも、当たれば痛いのですが、体幹の勁力とは根本的に違います。体幹の勁力は、体幹そのものを用います。腕は用いません。肩も用いません。背中と腹を用います。だから、そんなに力は要りません。

*突きならば、空手のほうが強いのです。パンチならば、ボクシングのほうが強いのです。だから、動物武術には、突きもパンチもありません。体幹の勁力ならばあります。それが、虎形拳であり、馬形拳なのです。

*そのことを理解するために、鉄牛耕地をやっているのです。しかし、腕立て伏せをやっている限り、肩の力は永遠に抜けません。永遠に"突き"をやるはめになります。

*私は宋氏形意拳の技の形を習いました。心意六合拳の技の形を習いました。しかし、その本質論の解説を受けたことはありません。

*しかし、私は先生の技を盗むことを心がけていました。その本質を盗むのです。そうしないと、形をなぞっているだけになってしまいます。

*だから、基本功と基本技を大切にしました。だから、姿勢の勁力を獲得しました。それが、宋氏形意拳がいうところの「静」です。心意六合拳がいうところの「影無く来たりて、跡無く去る」です。

*私は世間からインチキとよく言われました。社会的評価ゼロです。でも、全く気になりません。それは、本質を体得しているからです。だから伝統思想も要りません。陰陽五行説も要りません。気も要りません。

*心意六合拳の技の形ならば、宋氏形意拳の技の形ならば、5分もあれば覚えられます。

*しかし、そんなものは、全く役に立ちません。本質を理解して、体得していないと、無意味なのです。

*虎鷹拳院に来て、套路を要求した人たちは、全て失敗しました。勁力を獲得することはできませんでした。そして、消えていきました。残念ですが、どうしようもありません。

*技を盗む気持ち、勁力を盗む気持ち、が大切です。その気持ちが無い人は、必ず失敗します。自分勝手な解釈で失敗します。私に何ができるのでしょうか? 何もできません。

*技の本質を獲得するのは、私ではなく君なのです。勁力を獲得するのは、私ではなく君なのです。

*私は先生の技の本質を盗むことを、心がけました。その手がかりはあります。それが、基本功と基本技なのです。
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by tiger-hawk | 2016-03-10 03:31 | 心意六合*形意

変態する前鋸筋

*先日、上野動物園でアイアイを見ていたら、やってくれました、逆さま走り。

*細い木の枝を逆さまになって走ります。なんで逆さまになって走るのか、理由は解りませんが、みごとなものです。(でも爪の鋭いこと ! あんな爪でつかまれたら、木の枝もたまりません。)

*宋氏形意拳の横拳をゆっくりやってみると、前鋸筋の辺りがぐにょぐにょ動きます。会員のNさんは、「胴体にもう一つ関節がある」と言ってました。

*前鋸筋が使えるようになると、腕は肩ではなく、前鋸筋から生えてきます。まさに、ワニの体幹です。爬虫類の前肢です。関係が逆転します。

*でもたいていの人は、前鋸筋ではなく肩を使ってしまいます。前鋸筋は動きません。

*宋氏形意拳の横拳の前鋸筋は、熊の2号を練習すると、動き出します。

*でも、それだけでは足りません。

*心意六合拳の鉄牛耕地を練習します。この時に、肩で体幹を支えると、腕立て伏せになってしまいます。

*肩ではなく、前鋸筋で体幹を支えます。すると、前鋸筋が発達してきます。

*前鋸筋は通常、腕を伸ばす時に使います。そのために、ボクサー筋なんて言われたりします。

*ところが、動物武術では、腕が縮んでいる時も、前鋸筋が張ります。脇腹が膨らむような感じです。腕が縮んでいても、伸びていても、関係ありません。ですから、ボクシングのパンチとは違います。

*これ、典型的なのが心意六合拳の弓歩です。弓歩で虎撲を撃つ前の状態です。腕は引き付けて縮んでいるのですが、体幹は膨らんでいます。前鋸筋の仕業です。

*前鋸筋が張るようになると、強い体幹が造れます。体幹勁力となります。

*前鋸筋は、ダウンフォースの始まりです。前鋸筋から、反対側の鼠蹊部へ向けて切り込みます。これが、体幹の絞り=龍腰、となります。絞るけれど、前鋸筋は膨らみます。
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by tiger-hawk | 2016-03-08 05:14 | 心意六合*形意

静かな半歩崩拳の生まれたわけ

*ずっと昔、形意拳を一からやり直そうと、上海の故徐文忠先生の自宅で練習を始めました。しかし、その形意拳は、踵からガツンと着地する純粋蹠行性(せきこうせい) とも言うべきものでした。

*さらに、半歩崩拳を見せてくれたところ、いきなりドン ! と震脚で床を鳴らしてくれました。徐文忠先生は「どうだ」と得意顔です。私はあーあ、また震脚かとがっかりしました。その頃は、八極拳で震脚をさんざんやったので、うんざり、という気分でした。

*もっと違う形意拳があるのではないか? そこで、形意拳の原郷というまだ見ぬ山西省太谷県へ行くことにしました。(1989年) 目的の宋氏形意拳の宋光華先生を訪ねてみました。すると、宋氏形意拳の拳理は「静」だとのことでした。もちろん、震脚はありません。

*さらに、纏絲勁も沈墜勁も十字勁もありませんでした。どうやって撃ったらいいのか、皆目見当もつきません。

*その頃の私の六合歩(三体式) は浮きまくっていました。フワフワとしていて、ダウンフォースなんてゼロです。つまり、姿勢の勁力ゼロです。

*鼠蹊部を折ることも知りませんでした。足首を折り曲げることにも無知でした。

*歩くとさらに浮いてしまいます。そこで、歩くことはあきらめて、ひたすら六合歩の定歩で五行拳を撃ちました。

*しかし、宋光華先生は、龍形基本功と熊の1号・2号を授けてくれました。とりわけ、熊の1号と2号が、私の体幹を造ってくれました。もちろん、何年もかかりました。

*今では、私の脇腹はぐにゃぐにゃと動きます。会員のNさんは、「胴体にもう一つのヘンな関節がある」と表現しています。

*これは、宋氏形意拳の横拳の前鋸筋です。熊の1号・2号の効果です。これで、心意六合拳の起勢も鶏歩も、できるようになりました。もっとも、心意六合拳では、前鋸筋のぐにゃぐにゃまでは求めません。その一歩手前で間に合います。

*さて、半歩崩拳です。これは、両足をほとんど揃えます。ほんのわずか、後ろ足は後方になります。前足の土踏まず前方あたりに付けます。

*これは、全く撃てませんでした。でも、おかしな逆歩崩拳です。とても中途半端です。そうなんです。中途半端なんです。それは、順歩崩拳の成り損ないと考えれば、つじつまが合います。

*後ろ足は前へ行くつもりだったけど、途中で止めてしまったのです。となると、その前足は後ろ足の成り損ないです。

*だから、全体重は前足にあります。前足の肉球(趾球と足指) にあります。それでなんとか撃つことができました。

*これに似た動作が心意六合拳にあります。未完成鶏歩による打撃です。未完成鶏歩なので、後ろ足は宙に浮いています。後ろ足が着地すれば鶏歩になりますが、着地しません。これは、鶏行歩の途中動作なのです。途中なのに撃ってしまったという状態です。

*これではフットワーク最悪です。何のためにこんな技があるのか? 理解に苦しみます。

*ところが、これが勁力の理解にたいへん役に立ちました。それまで、鶏歩の搖閂把、鶏歩の馬形鑽拳が撃てなかったのですが、未完成鶏歩の練習により撃てるようになりました。

*しかし、もっと先がありました。心意六合拳の三盤落地です。その中に飢虎撲羊という技があります。飢虎撲羊の三番目の動作に、半歩崩拳とよく似た動作がありました。

*飢虎撲羊をちゃんとやってみたら、後ろ足の足指に全体重が載るようになりました。趾球ではなく足指です。これでちゃんと撃てるようになりました。

*しかし、三番目の動作は、半歩崩拳のように両足がほとんど揃います。わずかに後ろ足は前足の土踏まず前方にあります。これも実に中途半端な動作です。そしてちゃんとやってみたら、前足の足指に全体重が載るようになりました。

*これを宋氏形意拳の半歩崩拳に当てはめてみたら、前足の足指に全体重が載るようになりました。これが、静かな半歩崩拳の生まれたわけです。

*なお、心意六合拳の未完成鶏歩も、宋氏形意拳の半歩崩拳も、前のめりになると勁力は崩壊します。姿勢が崩壊するからです。ここはとても微妙なところです。

*だから、震脚も解決法の一つとしては、あり、です。しかし、震脚は蹠行性なので、指行性勁力の心意六合拳と宋氏形意拳としては採用できません。もちろん、蹠行性勁力の心意六合拳や形意拳ならば、問題は無いでしょう。

*ところでこの、「趾球から足指へ」、は心意六合拳の虎抱頭や鷹抓把で実行していました。しかし、あまり意識したことはありませんでした。それが、三盤落地の飢虎撲羊ではっきりしました。

*心意六合拳と宋氏形意拳には、本質的違いはありません。表現方法が違います。「趾球から足指へ」も、宋氏形意拳では完全に隠れて見えません。もっとも、心意六合拳でも外面的に見えることはありませんけど。
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by tiger-hawk | 2016-03-07 06:35 | 心意六合*形意

フニャフニャ崩拳の生まれたわけ

*フニャフニャ崩拳はどうして生まれたか?

*現時点から整理するという反則技でやってみます(笑) 。

*宋氏形意拳を学んだ時に、力を入れると駄目になる、ということだけは理解できました。

*それでひたすら力を抜いて五行拳を練習しました。

*もちろん、力を抜いたからといって、それで撃てるわけもありません。だから、ふにゃふにゃだけは完成しました。

*それでは、小学生も倒せないことは理解していました。しかし、他にどうしようもない、という状況でした。その頃は、指行性勁力にも無知でした。

*その後、心意六合拳の鶏歩を学びました。鶏行歩も学びました。

*鶏歩の後ろ足の踵は浮いています。肉球(趾球と足指) だけで立っています。前足はほとんど体重を支えていません。一本足に近い状態です。

*そのままの状態で、前足を上げます。そして、そのままの後ろ足で前進します。つまり、延長されたダウンフォースとなります。

*いつのまにか、宋氏形意拳の六合歩(三体式) も、後ろ足の肉球だけで立っていました。後ろ足の踵は地面に触れてはいるのですが。つまり、隠れ指行性となっていました。

*こうなると、余裕ができてきます。フニャフニャ崩拳でも、全く問題がありません。

*さらに、寸勁と長勁の区別がなくなりました。というよりも、長勁が存在しないことに気がつきました。すると、全ては寸勁、ということです。

*となると、目標までの長い距離は、勁力に関係無いということになります。

*だったら、力を入れても無意味です。拳が遅くなるだけです。目標寸前まではフニャフニャでいいんです。すると、拳は速くなります。

*最後に、鷹爪の前腕だけで撃ちます。

*つまり、目標寸前までは、緩く拳をにぎっていればいいんです。拳を硬くにぎる必要はありません。拳を硬くにぎることは無意味です。というよりも弊害があります。

*こうしてフニャフニャ崩拳は生まれました。

*静かな半歩崩拳の生まれたわけ、は次回、明らかにします。
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by tiger-hawk | 2016-03-06 01:34 | 心意六合*形意

回族心意六合拳・宋氏形意拳・動物武術・虎鷹拳院・姿勢勁力・藤松英一


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