気から勁力は生まれません。気からは妄想と詐欺師が生まれます。
震脚から勁力は生まれません。震脚からは騒音と膝と腰の痛みが生まれます。
形意拳の半歩崩拳はどうやったら撃てるのでしょうか?
オラは上海の徐文忠先生の自宅で、山西派形意拳と称する形意拳を習いました。(後に判明しましたが、山西省に山西派形意拳はありませんでした。当然ですが。)
その時、半歩崩拳を徐先生は震脚で撃ち、ドヤ顔していました。それを見て、オラはがっかりしました。
震脚は八極拳でさんざんやったので、もう飽きた、と考えていました。その頃から、形意拳のふるさと山西省には何があるのかなあ? と漠然と期待していました。
それが1989年天安門事件の最中、山西省太谷県へ行くことに繋がりました。そして宋氏形意拳に運命の出会いとなりました。宋氏形意拳は静の形意拳です。
震脚を使わないなら、どうやって半歩崩拳を撃つのか? それは自分の全体重を下腿に賭けて撃ちます。
だから地面を蹴ってはいけません。震脚してはいけません。勢いは殺します。足は音を立てずに静かに寄せます。滑り込むような感じです。
そのためには、力抜きが必要です。
背中の力を抜き、肩の力を抜き、腰の力を抜き、鼠蹊部の力を抜き、大腿四頭筋の力を抜き、足首の力を抜きます。
これはなかなか難しい。
半歩崩拳は変則的なので、前足下腿に全体重を賭けます。そして後ろ足を静かに寄せます。その瞬間撃ちます。
速くやると乱雑になり体重は降りてきません。丁寧に静かにゆっくりと稽古します。
ではまた!