勁力なんて全く分からなかった。どうやって撃つの? 全然分からない。
八極拳から離れて、震脚は捨てた。それで問題が解決したわけでもなかった。
徐文忠先生の自宅で、いわゆる山西派形意拳を習う。半歩崩拳で震脚しドヤ顔の徐先生を見て、つくづく嫌になった。あ~あまた震脚かよ!
形意拳の故郷…山西省へ向かう。天安門事件の上海は革命前夜だった。デモ隊は繁華街を埋め尽くす。
デモ隊は人民警察愛人民、なんてシュプレヒコールし警察を牽制する。いやいや大弾圧が始まるぞ、と学生運動の経験から直感する。(天安門血の日曜日の始まりだ。U2のブラディサンデーを思い出す。)
北京は戒厳令が布告されたと聴き、山西省太源市へ24時間かけて遠回りする。太源からさらにバスで4時間、太谷県に向かう。
宋氏形意拳を習う。もちろん全く撃てない。駄目先輩を見て、地面を蹴ってはいけない、と学ぶ。もちろん全く撃てないけど。(笑)
歩くと体が浮いてしまうので、移動稽古はあきらめる。帰国後、ひたすら力を抜いて五行拳を撃つ。
もちろん全く撃てないけど。今考えると、その時、背中の力が抜けたようだ。もちろん全く撃てない。
2年後、心意六合拳を習う。もちろん全く撃てない。さらに一年後、地面を蹴らないで前進する方法を発見する。師匠の動作から盗む。
それは足首が折れ曲がる、という方法です。(盧式心意六合拳は足首が硬直したままです。残念な心意六合拳。)
足首と同時に鼠蹊部が折れ曲がる。それを心意六合拳の鷹抓把と鶏撲食から学ぶ。教わったのではなく盗んだ。(笑)
宋氏形意拳のおかげで、背中の力は抜けた。しかし一般のヒトはそうはいかない。背中ガチガチです。
太極拳は脊柱で撃つ、なんて馬鹿なこと言う先生がいる。脊柱起立筋で撃つ、なんてアホなこと言う先生もいる。かわいそう。涙…同情はしないけど、残念。
みなさんは背中の力を抜いてください。そして足首と鼠蹊部が折れ曲がる。下腹部を凹ませ腹直筋を引き上げる。前鋸筋(龍身)と前腕筋肉(鷹爪)で撃つ。