前腕を棍棒とする。これが鷹爪です。心意六合拳と宋氏形意拳の拳です。
一般的には、上腕三頭筋の伸長性収縮を用います。空手、ボクシング、いわゆるワン・インチ・パンチなど、みんな本質的に同じです。
しかし、心意六合拳の単把は、上腕三頭筋の伸長性収縮を用いません。他の技も同様です。
宋氏形意拳の崩拳は、上腕三頭筋の伸長性収縮を用いません。他の技も同様です。
武式太極拳のロウシツヨウホは、上腕三頭筋の伸長性収縮を用いません。他の技も同様です。
では何を用いるのか? 鷹爪を用います。
鷹爪とは何か?
それは、前腕筋肉の等尺性収縮なのです。つまり長さが変わりません。それは棍棒だから、長さは変わりません。
ではどうやって当てるのか? 上腕三頭筋の伸長性収縮が必要とされるだろう?
ところがそうでもありません。
前鋸筋を用いれば解決します。前鋸筋、伝統的表現ならば、龍身、龍腰、となります。
心意六合拳の鶏歩は、前鋸筋で半身を作ります。腰や肩ではありません。
宋氏形意拳の六合歩=三体式は、前鋸筋で半身を作ります。腰や肩ではありません。
前鋸筋で腕を伸ばします。上腕三頭筋は要りません。つまり長勁は、最初から存在しません。短勁、寸勁、ゼロ勁、なのです。
前腕筋肉と前鋸筋が一体化します。肩と背中はユルユルにします。
心意六合拳の単把には三種類あります。
鶏形単把、熊形単把、猴形単把、の三種類です。一般的には鶏形単把をよく稽古します。
しかし、ほとんど稽古しない猴形単把にこそ、単把の本質があります。
猴形単把は、文字通り、片手で撃ちます。鶏形単把と熊形単把は両手で撃ちます。もちろん両手のほうが強い。
ではなぜ猴形単把があるのか? それは単把の本質を理解して欲しいから。
片手で撃つのだが、上腕三頭筋は用いない。上腕三頭筋を用いるとパンチになってしまう。
単把も他の技同様に、前腕筋肉と前鋸筋を一体化させて撃ちます。
すると、前腕筋肉は棍棒となるしかありません。
追記 この内容は動画を見ても理解できません。やはりブログも必要ですね。