足裏時間のために
*何のために足裏時間なるものを考えたのか?
*ヒトは踵で立って踵で歩く蹠行性(せきこうせい) ですが、これを指行性にするためです。ところが、実際には蹠行性の骨格なので、半指行性となりますけど。
*踵で着地すると蹠行性になってしまいます。そこで、踵は地面に触れるか触れないか、という微妙な関係を作ります。そこから、瞬間的に、趾球と足指で着地します。これで、指行性に近くなります。
*この着地方法を、指行性ウォークと心意六合拳・鶏行歩で実行します。これが、第一の足裏時間です。
*心意六合拳・鶏行歩では、瞬間的に未完成鶏歩となります。この未完成鶏歩が連続するのが鶏行歩というわけです。
*ところが、打撃の足裏時間としては、これではもの足りません。距離が長過ぎるので、もっと距離を短くしたいのです。そこで、距離を縮めて時間も縮めます。すると、いわゆる技の切れが良く成ります。
*打撃の足裏時間を、土踏まずから趾球と足指、と設定します。この距離と時間で撃ちます。これが第二の足裏時間となります。
*さらに、究極の足裏時間があります。これは、心意六合拳の三盤落地ではっきりとしました。
*趾球から足指の距離を設定します。この距離と時間で撃ちます。すると、とても短い時間で撃てます。集中しますので、強力な打撃力となります。
*これらの足裏時間を体得するには、自分の体重が今何処にあるのか? を感じ取る必要があります。
*そこで、天地功でゆらゆら前後に揺れてみます。踵から土踏まず、土踏まずから趾球、趾球から足指へと移動します。そして、足指から趾球、趾球から土踏まず、土踏まずから踵、と移動します。これをゆっくりとやってみます。
*心意六合拳の弓歩・鶏歩、宋氏形意拳の六合歩などでも、自分が何処で立っているか? を常に確認します。
*足裏時間を体得しましょう。
*この足裏時間を体得すると、訳の解らない心意六合拳の虎抱頭が、たいへん恐ろしい技となります。結局、危なくて使えなく成りますけど。
*心意六合拳にはパンチがありません。それらしいものに馬形拳がありますけど。所詮、パンチ合戦やったところで、ボクシングには敵いません。だから、やりません。かといって、つかむわけでもなく、独自の闘い方を心意六合拳は編み出しました。その象徴ともいうべき技が、虎抱頭です。