身体各部品を使い分ける
*有名なのが、アフリカ大地溝帯のマラソン選手です。完璧に指行性でランニングします。でも、日本人には無理みたいです。せいぜい半指行性?
*もっと簡単な例として、階段を登る時は蹠行性になりますが、下る時は指行性になります。確かめてみてください。
*坂を上る時は蹠行性ですけど、下る時は指行性に近くなります。これも、確かめてみてください。
*バレリーナはつま先で立って歩きますから、指行性どころか蹄行性になります。山羊さんや羊さんと同じです。でもヒトには蹄がありませんから、たいへんでしょうね。シューズの先が厚くなっているそうですけど、それでも痛いでしょうね。ブタのフジマツにはとても無理ですけど。
*ところで、階段を下る時と、坂を下る時は指行性に近くなります。この感覚を、指行性ウォークに生かします。
*指行性ウォークでは、一本足の足指に完全に全体重が載ったのを確認してから、足を出します。ここが命です。
*また、歩幅を大きくします。すると、太もも裏の大腿二頭筋が覚醒します。これがダウンフォースになります。指行性ウォークだけでも発勁できます。日常歩行を指行性ウォークにしてしまえば、いつでも練習できます。周りの人に気付かれることもありません。
*指行性ウォークを低くして、ダウンフォースをさらに強調したのが、心意六合拳の鶏行歩です。もちろん、発勁力量は鶏行歩のほうが優れています。
*身体の各部位を使い分けることについて、専門用語があるそうです。ダンサーやカイロプラクターはご存知らしい。聞いてみてください。
*ともかく、鷹爪を成功させるには、前腕の筋肉と上腕の筋肉を使い分ける必要があります。最後は前腕の鷹爪だけで撃ちますから。これが難しいらしい。
*前腕で撃て ! というと、それだけで肩が緊張してしまいます。そんな人が少なくありません。
*肩を使わずに、腹だけ使う必要があります。かなり、強烈に腹横筋に意識をかけます。下腿三頭筋と違って、腹横筋に体重は使えませんから、意識が重要となります。
*禅密功の場合、肩と胸を使わずに、背骨だけ使います。これができない人がいます。
*鉄牛耕地で、腹圧を上げろ、というと、尻を持ち上げる人がいます。いえ、尻は関係ないのですけど。腹だけで身体を持ち上げる気持ちでやると、軽々と自分の身体を持ち上げることができます。もちろん、前腕も使いますけど。腹と前腕です。とてもラクチンなんですけど。
*肩でやる腕立て伏せよりも、腹でやる鉄牛耕地のほうが楽だし気持ちいいんですけど。
*心意六合拳の起勢では、肩と胸を使わずに、腹だけ使います。実際には、肩と胸を使ってしまう中国の先生も、少なくないようです。結果、身体が開いてしまいます。そして、身体の回転する悲惨な熊吊膀となります。
*私は師匠のような起勢ができなくて悩んでいましたが、ある日、肩と胸を使わず、腹だけ使うことに気がつきました。すると、体幹の絞り=龍腰を体得できました。
*鼠蹊部は、膀胱の辺りで折り畳みます。同時に、尻を収めます。これを提肛と称します。つまり、尻が出てはいけません。これは腹横筋で尻を巻き上げるようにします。
*鼠蹊部を折り畳むことを、心意六合拳では縮身と称します。猴縮身などです。
*熊の1号と龍形基本功(宋氏形意拳) は、尻と肩が同調して、体幹が同時に動きます。ところが、腹横筋だけ使う、ということができないと、体幹はバラバラとなります。
*体幹の絞りは、縮身・提肛とセットになっています。(これらのことは自分一人で解決しました。だから、誰でもできると思い込んでいました。どうもすいません。)
*どれも、身体の各部品を使い分けることが必要となります。