胸をゆるめる
*最後に、胸をゆるめます。胸とは大胸筋のことです。心意六合拳では、大胸筋を使いません。だから、胸をゆるめます。
*胸はゆるんでいるつもりでも、ゆるんでいない場合が多々あります。ここは一人ではできません。コーチが指摘してあげます。
*胸がゆるんでいるのを確認してから、手を横へ伸ばします。扇形になります。腕は伸ばしきりません。肘がゆるんでいます。
*これを含胸拔背・沈肩墜肘と称します。ところが、日本の中国拳法では、肩と胸と肘を縮めてしまいます。背中も縮めてしまいます。すると、とんでもないものができあがります。非勁力姿勢の極みです。
*背中もゆるむどころではなく、肩甲骨が緊張して飛び出します。すると、肩甲骨発勁という化け物ができあがります。ラスボスです。
*胸がゆるんでいないと、勁力の姿勢は崩壊します。有効な打撃は成立しません。
*胸と肩は連動します。胸がゆるんでいないということは、肩もゆるんでいません。悲惨な状況となります。
*胸と肩が緊張している人は、実は24時間緊張しています。ゆるむことを知りません。だから自覚できません。これは治療してもらっても、治りません。一時的なものです。自分で治すしかありません。24時間ゆるむ方向で生活します。
*熊の1号・3号・2号は、胸と肩がゆるんでいることが前提条件です。
*胸と肩がゆるんでいることが、姿勢勁力の第一条件となります。(これは自覚できない人が多いようです。)
*そうしてはじめて、前鋸筋と腹横筋が使えるようになります。すると、龍=ワニの体幹が造れます。
*足の場合は、太ももをゆるめます。太ももとは、大腿直筋と外側広筋です。主エンジンは大腿直筋です。ですから、大腿直筋で地面を蹴るウォーキングは最低の非勁力です。
*主エンジンを、大腿直筋から下腿三頭筋に切り替えます。それが心意六合拳の鶏行歩です。これも自分では自覚できません。残念ながら、私の場合は例外のようです。
*主エンジンを下腿三頭筋にするために、足首は折れ曲がります。すると、足指で歩くことになります。指行性に近づきます。
*昔は、足半(あしなか)という履物があったそうです。踵の部分がありません。あれも指行性の履物かもしれません。