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動物武術の虎鷹拳院日誌

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強いバネと弱いバネ

*どうして肩の力を使ってしまうのでしょうか? そんなことをすれば姿勢勁力は死んでしまうのに?

*実はそこにも、強いバネと弱いバネの問題が隠れています。

*肩の力は強いバネなのです。肩も弱いバネを使います。

*肩の力は抜く必要があります。でも、完全に肩の力を抜くわけではありません。それでは肩を脱臼してしまいます。弱い力は使うのです。(馬鹿な私は昔、完全に肩の力を抜いて撃つとどうなるかを実験してみました。当然、肩を痛めました。若い頃馬鹿でした。今も馬鹿ですけど、アハハ) 

*でも、弱い力はとても微妙です。そのために、肩の力を抜くと称しています。

*心意六合拳の鶏行歩を失敗するのも、強いバネを使うからです。でも弱いバネは、日本の男性にはなかなか理解できません。

*いいかえると、理解してしまえば弱いバネはとても簡単です。発想の転換だけなのです。

*弱いバネは、心意六合拳の鷹抓把(ヨウソウバ) や燕子点水(エンシテンスイ) に顕著に現れます。

*鷹抓把と燕子点水では、後ろ足に成る足に弱いバネを用います。後ろ足としてもいいのですが、一本足時間は後ろ足に成る足から始まります。

*実は、一本足時間にも二種類あります。強いバネの一本足と弱いバネの一本足です。強いバネの一本足は、ランニングやウォーキングに現れます。

*虎鷹拳院では、一本足時間を強調していますが、その場合「弱いバネ」による一本足時間となります。

*でも一般にヒトは強いバネを使いたいものです。特に武術者は強いバネを使う傾向があります。で私は、そんなに力は要らないんだよ、と言う訳です。地面は蹴らなくていいんだよ、と言う訳です。

*宋氏形意拳を学習した時、浮いている先輩がいました。その時に、浮いてしまってはいけない、と学習しました。浮いてしまうのは、強いバネを使うからです。強いバネは勁力を殺してしまいます。

*でも本人には強いバネを使っている自覚がありません。本人は力を抜いているつもりです。こうなると、説得は困難です。

*武式太極拳の僑松茂先生が自分の弟子を評して、「なんだか浮いているなあ」とつぶやいた時も、すぐに理解できました。宋氏形意拳の経験があったからです。

*自分の弟子が浮いているのなら、つぶやいていないで教えてやればいいのに、とは思いました。先生としては、教えても理解できないだろうと思っていたかもしれません。(そういえば私も、心意六合拳における弱いパネは教わったことがありません。師匠の鷹抓把や鶏撲食を見て理解しました。) 

*一般的に太極拳は「やわらかく」と強調するので、浮くことの理解は難しくなります。行雲流水、なんて表現する人もいますから。

*心意六合拳の鶏行歩は行雲流水なんかではなくて、地に呪われています。だから浮くことはありません。漂泊の旅ではなく、地に呪われた旅となります。

*浮くことが無いとは、沈むことが無いということです。その中間を進みます。

*下腿三頭筋も強く使うのではなく、弱く使います。自分の体重を支えるだけですから、強い力は要りません。

*だから、「力感」がありません。

*この弱いバネを体得するのには、心意六合拳の燕子点水が理解しやすくなっています。虎爪でもいいです。燕子点水はジャンプするので、弱いバネが解りやすくなっています。これもジャンプに勁力があるわけではなく、着地の瞬間の処理に勁力が隠れています。もちろん、静かに衝撃を吸収して着地します。
by tiger-hawk | 2016-12-08 06:58 | 心意六合*形意

回族心意六合拳・宋氏形意拳・動物武術・虎鷹拳院・反人間本能の勁力・藤松英一


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