姿勢勁力は、小さい力で大きい力を出すことを明らかにしました。それは、私のような弱者が必要とするものです。
しかし、強者には必要のないものです。あるいは、強者の論理によって生きる人にも必要のないものです。
強者の論理によって生きる人とは、格闘技者のことです。あるいは、そのような格闘技的武術者のことです。
先日の動楽忘年練習会で、膝を用いない弓歩をやるつもりが、時間切れでやれませんでした。やれなくてよかったです。強者の論理によって生きる武術者には必要のないものだからです。そのような人の興味を引くことはありえません。
では弱者には理解できるのか? これも難しい。膝を用いない弓歩は、ヒトの直立二足歩行に基づかない反本能の運動だからです。
それは、ニワトリ=鳥類=恐竜の、指行性二足歩行に基づいた運動だからです。心意六合拳は全く異質な動物の運動を取り入れました。だから人間武術ではなく動物武術です。
フジマツは一発で理解しました。回族の陳先生が、踵をあげて降ろした時、この勁で撃つ、と言いました。それだけで十分でした。それは膝に力が入っていると理解できません。
日頃、膝で歩いている日本のオジサンには難しいものがあります。膝をフニャフニャにする必要があります。
私は先日の練習会で、肩をフニャフニャにしましょう、と提起しました。そして、フニャフニャ体操をしました。先生たちは、怪訝そうな顔をしていました。あっ、お呼びでない! と理解しました。
肩だけでなく、膝もフニャフニャにする必要があります。理解不能です。フジマツは馬鹿ではないのか? 馬鹿なんですけど、人間の運動も捨ててしまいました。
進化でもなく退化でもなく、横道へ行ってしまいました。何しろあまり飛ばない鳥ですから。ニワトリの元のセキショクヤケイは700メートル位は飛べるそうですけど。
太極拳も膝で歩きます。だから、太極拳経験者に、武式太極拳を教える時、困難を覚えます。
形意拳も膝で歩きます。だから、形意拳を知る人に、宋氏形意拳を教える時、困難を感じます。
人間は下腿3頭筋を短縮性収縮させて歩きます。踏ん張るとは、そのことです。
形意拳の三体式は、後ろ足の下腿3頭筋が短縮性収縮しています。
そのままでは、下腿3頭筋が伸長性収縮できないので、下腿3頭筋をフニャフニャにしてしまいます。
肩をフニャフニャ、膝をフニャフニャ、下腿3頭筋をフニャフニャ、というわけで、三つのフニャフニャです。極意です。最高秘伝です。月刊秘伝には載っていません。アハハ
追伸 今日は稽古収め。呼吸法の練習しましょう。