体重を勁力に変換するためには、体重移動しなければいいのです。体重移動すれば、勁力の原資は消えてしまいます。
しかし、体重移動を否定すると、人間の直立二足歩行を否定することになってしまいます。直立二足歩行は、体重移動によって成立しているからです。
人間の直立二足歩行に替わるものが必要となります。それが、心意六合拳の鶏行歩です。
それが、ニワトリ=鳥類=恐竜の、指行性二足歩行です。心意六合拳は、恐竜の後継者です。小惑星の衝突によって滅びた恐竜が、鳥類となり、あまり飛ばないニワトリとなり、指行性二足歩行を指し示すことになりました。
指行性動物は直立できません。ネコもイヌもニワトリも直立できません。クマやレッサーパンダが直立できるのは、指行性ではなく、人間と同じ蹠行性だからです。後ろ足だけですけど。たまに二足歩行するイヌもいますが、やはり残念ながら直立できません。
その蹠行性の人間があえて指行性になるためには、直立姿勢を改造する必要があります。
人間はどのようにして直立したのか? それは、鼠蹊部と足首を真っ直ぐにして直立したのです。
ですから、鼠蹊部と足首を曲げてしまえば、直立姿勢から逃れられます。それが心意六合拳の鶏歩、宋氏形意拳の六合歩です。
鶏歩のまま歩けば鶏行歩となります。その場合、体重移動を避ける必要があります。それが裏側筋肉主体の歩行運動です。
後ろ足の踵は浮いているけれども、ほんの少しです。その下腿3頭筋、特にヒラメ筋に体重がなければ、体重移動は実行されてしまっています。もちろん失敗です。
この後ろ足足首の角度はたいへん微妙なので、最近は私が自ら微調整しています。
勢いに任せてしまうと、体重移動を避けることができません。勢いをコントロールする必要があります。それが、親指側エッジと足親指による指行性です。