勁力はフニャフニャが造ります。それには三つのフニャフニャがあります。
第一のフニャフニャ
鼠蹊部を切り込みます。そのためには、鼠蹊部の力を抜いてフニャフニャにする必要があります。
第二のフニャフニャ
足首が折れ曲がります。そのためには、足首の力を抜いてフニャフニャにする必要があります。
第三のフニャフニャ
肩の力を抜きフニャフニャにします。そのためには胸の力を抜きフニャフニャにします。大胸筋を使わないようにします。
この三つのフニャフニャで勁力ができます。
これは、関節の力を抜くことを意味します。関節はカラダの動きを滑らかにするのが仕事です。力を出すところではありません。
推手で股関節を壊した人がいました。推手で膝を壊した人がいました。股関節や膝は力を出すところではありません。無理な仕事をさせてはいけません。壊れるのは当然です。 註 虎鷹拳院では推手は無駄なのでやりません。
関節は力を出すところではありません。だから本来の仕事をしてもらいましょう。
そして筋肉にも本来の仕事をしてもらいましょう。
筋肉が嫌いな人は、骨が、腱が、気が、勁力を出すらしいです。骨は人体構造を支えます。腱は筋肉の動きを骨に伝えます。気とは気持ちのことです。
気持ちばかり先走っても失敗します。筋肉、骨、腱、血、内臓、みんな相談して共同作業します。
そして先に動くのは筋肉です。それが筋肉本来の仕事です。それを邪魔して阻止するのが、ガチガチの鼠蹊部、ガチガチの足首、ガチガチの肩なのです。
ガチガチの鼠蹊部、ガチガチの足首、ガチガチの肩をゆるめます。それが勁力の出発点です。それだけでほとんど解決します。
リラックスを標榜する太極拳は、鼠蹊部が、足首が、肩が、全くリラックスしていません。股関節が、膝が、リラックスしていません。
一般的な太極拳の指導は、根本から間違っています。力を出すところではない関節から力を出しています。だからやっても無駄なのです。
下腿3頭筋の伸長性収縮は、フニャフニャの足首から生まれます。ガチガチの足首からは生まれません。
特に足が伸びない下腿3頭筋の伸長性収縮は、よりフニャフニャの足首が求められます。心意六合拳の鶏歩のことです。宋氏形意拳の六合歩のことです。そして鶏行歩のことです。
足首がフニャフニャであればあるほど、大きな勁力がでます。これは常識に反するので、想像が難しくなります。