人を教える時は、三つの条件が必要となる。
心意六合拳の師匠は示します。
その一
人を教える情熱があるかどうか?
その二
実力(勁力)があるかどうか?
その三
人を教える技術があるかどうか?
自分の過去を振り返ってみると、その三、人を教える技術が欠落していました。反省しています。
私はできない人の気持ちが理解できませんでした。地面を蹴ってはいけないと教えているのに、どうして地面を蹴ってしまうのだろう? と不思議でした。
体重移動してはいけないと教えているのに、どうして体重移動してしまうのだろう? と不思議でした。
自分の場合、地面を蹴らないと思うと、地面を蹴らない心意六合拳鶏行歩が実現してしまいます。
体重移動しないと思うと、体重移動しない発勁が実現してしまいます。思うだけで成功してしまいます。
しかし、あまり一般的な方法ではありませんでした。一般の人には通用しません。
そこで、姿勢に注目しました。地面を蹴ると、姿勢はどうなるのだろうか? 体重移動すると、姿勢はどうなるのだろうか?
姿勢のどの部分が崩れるのだろうか?
鼠蹊部が伸びてしまいます。下腹部が開いてしまいます。股が開いてしまいます。小指側エッジになってしまいます。足首が伸びてしまいます。尻が出てしまいます。腰がくびれてしまいます。肩に力が入ってしまいます。(間違い探しをしました。)
そうすると、勁力は発生しません。だったら、それらの人体部品を修理すれば良いわけです。
立っている時、歩いている時、姿勢の部品に注意します。
鼠蹊部は切ります。下腹部はくびれます。親指側エッジと内転筋を用い、股を開かないようにします。足首はくびれるようにします。腹直筋で内臓を持ち上げて、尻を収めます。腰のくびれを消します。肩の力を抜き、代わりに前鋸筋を覚醒させます。腰と肩を使わず、前鋸筋で半身を作ります。
宋氏形意拳の崩拳を撃つ時、上腕三頭筋を使わず、腰を使わず、前腕筋と前鋸筋だけで撃ちます。
心意六合拳の単把を撃つ時、最初から鷹爪をしっかり作り、途中で緩むことなく、前腕筋と前鋸筋だけで撃ちます。
足首のくびれは、心意六合拳の燕子点水で作ります。
最後に、愚か者と、真面目に練習しない者と、悪人に心意六合拳を教えてはいけない、と師匠は指示しました。
愚か者に教えても、時間の無駄です。真面目に練習しない者に教えても、時間の無駄です。悪人に教えると、悪事に心意六合拳が利用されてしまいます。
付け加えると、勁力が無いのに売名のために心意六合拳と宋氏形意拳を利用する者がいます。残念なことです。不安は無いのかなあ?
教える技術を考えたので、最近は勁力に成功する人が増えてきました。嬉しいことです。その第一歩は、鼠蹊部の切れと下腹部のくびれです。
追伸 昔公開した、宋氏形意拳進退連環の動画と、心意六合拳虎形套路の動画を見てみた。なかなか良いではないか! みなさんもどうぞご覧ください。18年位前かな? 忘れたけど? 笑