宋氏形意拳の熊形基本功と龍形基本功には、同じテーマがあります。
それは、左右両側の鼠蹊部を切る(畳む) ことです。
そして、これだけで、強い力=勁力が生まれます。習得するまでは信じられない力です。その力を得ると、自分でもびっくりします。
しかし、落とし穴があります。よくある間違いです。
それは、回転する体幹に引きずられて、片方の鼠蹊部が開いてしまうことです。回転する方向の鼠蹊部のことです。
すると、踵に体重が乗ってしまいます。すると勁力は発生しません。
足首は折れ曲がり、体重はヒラメ筋と親指に乗るようにします。これが基本条件です。
体幹は回転するけれど、鼠蹊部は両側で畳まれます。体幹と鼠蹊部は違う動きをします。鼠蹊部は体幹に支配されません。
鼠蹊部がカラダを支配します。
これが人間にはなかなか理解できません。
人間は直立姿勢なので、鼠蹊部はいつも伸びています。
そこで、鳥類の骨格標本を見ることをおすすめします。
羽のコートを着ているので、骨格姿勢はわかりません。
ペンギンなどは直立姿勢を偽装しているペテン師です。笑
でも、体重を浴びせるクセのある人は、失敗します。体重を浴びせるために、地面を蹴ってしまいます。全ては台無しです。
体重を乗せた拳なども、体重を浴びせる行為です。これは、ほとんどの人がやります。もちろん勁力は死にます。
おすすめは、心意六合拳の大きい鶏歩です。通常の鶏歩では、フラフラと体重移動してしまう人も、大きい鶏歩だと地面を蹴りにくくなります。
すると勁力を実感できます。
もう一つ、条件があります。それは前腕の筋肉に意識集中することです。前腕の筋肉だけは意識的に使います。
鼠蹊部と足首は意識的にゆるめます。しかし、前腕の筋肉だけは、意識的に使います。
筋肉嫌いの内家拳主義者は、筋肉ではなく腱、と言います。もう馬鹿は放っておきましょう。死んでも治りません。他の道場へどうぞ。気の道場なんか最高です。
前腕に意識集中して、前腕にもっと力を集中します。
では健闘を祈る。またヤーサイ!
追伸 腰を張ると尻が出ます。そこで、腹直筋で内臓を持ち上げます。背中も腹直筋で立てます。